病棟薬剤師の仕事①-初回面談-

病院薬剤師の仕事

はじめに

 入院患者さんへの服薬指導や薬歴管理を通して得られた患者さんの情報を、医師へ伝えて薬物治療を支援することなどを「薬剤管理指導」といいます。この薬剤管理指導が病棟薬剤師にとっては非常に重要な仕事ですが、その内容にはいくつかあります。今回は、入院してすぐの患者さんに話を聞きに行く、初回面談についてを紹介したいと思います!
 ちなみに、私の病院では働き始めて2ヶ月ぐらいで、病棟での薬剤管理指導をスタートしました。他の病院と比べると早い方かな?という印象です。最初の頃は先輩の指導の様子を見て学び、次に、先輩に見守られながら入院患者さんと話をし、最後にひとり立ちというような流れです。正直、入ったばかりの頃は病院薬剤師がどんな仕事をするのか、あまり想像がついていなかったので手探りで介入していました💦病院実習ではもちろん教えていただきましたが、その頃はあまり知識もない学生がついていって見ていただけなので、自分がいつか説明する側になるというのを実感できていなかったんです。実際に薬剤管理指導の経験を積むことで見えてくることも多いですが、今回その内容を少しでも知っていただけたら幸いです!

初回面談では治療において重要な情報が得られることもあるよ

場合によっては、付き添いの家族等に話を聞くことも!

初回面談ではなにをするの?

 入院してすぐの患者さんに、最初にいろいろと質問をします。もし他の病院からの転院であれば、申し送り事項が記載されたサマリーや情報提供書から分かることもありますが、特に救急での入院となれば、わからないことだらけです。認知機能が低下している、状態があまりよくないため答えられる状況にないなどの理由で、付き添いの家族に聞くこともあります。確認することとしては、以下のような項目があります。


既往歴
 他の職種が確認済みであることも多いため、必ず聞くわけではありません。薬の効果をフォローするためや、使用している薬が複数の病気に対して使用でき、継続にあたっては知っておいた方がいいと思われるときなどは確認するようにしています。

アレルギー症状や副作用歴がある薬はないか
 入院中に使用を避けた方がよい薬剤がないか確認するため、必ず聞きたい項目です。

お薬手帳に記載がある薬以外の薬の服用や注射の使用はないか
 現在何の薬を使用しているかはお薬手帳を参考にすることが多いですが、患者さんによっては手帳シールの貼り漏れがあるという方もいます。また、統合失調症や腎性貧血などで月1回注射をしてもらっているという患者さんもおり、その情報はお薬手帳ではわからないことが多いです。こういった薬は初回で確認が漏れると、その後に情報を得る機会がなかなかないため、最初の確認が重要です。

サプリメントの使用はないか
 現在飲んでいる薬や入院中に開始した薬と相互作用があるサプリメントを内服中の場合、主治医に確認をしたり、本人に薬の効果や副作用に影響がある旨を説明したりする必要があります。また、入院中にサプリメントを飲みたいと言われる方もいるため、事前に情報を知っておくと飲み合わせに問題ないかを調べておくことができます。

自宅での薬の管理は誰がしていたか
 同居の家族が薬の管理をしていた場合などは、入院中に新たに始まった薬は同居の家族に説明をしておく方がよいと思われます。特に、飲み方や副作用などに注意が必要な薬は、退院までに家族へ1度説明をするように心がけています。

 また、上記を聞く中で、どの程度自分が使用している薬に対しての理解があるかなども確認をします。理解度に応じて、薬の説明をどこまでするか、説明の際にはどういった表現をするか、家族等への説明が必要か、そもそも継続できるのかなどの判断が変わってくるからです。

まとめ

 今回は病棟薬剤師の仕事の中で、初回面談について紹介しました。家族を含めしっかり話を聞くことができる初回面談を活かして、今後の治療や薬剤管理指導に必要なことを確認しておきたいですね。人によっては、「私はもっとこんなことを聞く!」と思う方もいるかもしれません。そういった方はぜひ私に教えてください!今後の管理指導の参考にさせていただきます。薬学生の方や、薬剤師を目指す方にとっては、病棟の仕事を知るために少しでも参考になれば幸いです。

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